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ドミニコNOW

アーカイヴ

このページでは、会報 No.40 の記事からピックアップしました。




『風の中に身をおいて』

 同窓生の皆様、こんにちは。聖ドミニコ学園の中学高校の昔と今を考える時、建物も人も、学園の周辺の風景も大分変わっていますが、変わらないものがあります。それは校風として受け継がれているもの、〝家庭的な雰囲気〟ではないでしょうか。
 先日、同窓会幹事会に出席して第1回生から49回生までの幹事の方々のお話を伺いながら、連綿と流れているドミニコの風を感じました。
 カトリック教会の典礼聖歌集に「風はどこから」という聖歌があります。風の存在は、ものが動くことで感じとれます。ドミニコの校風は、どんな時に感じとれるのでしょか。学園のキャンパスに入ると何故か、ほっとしたり、温かさを感じると訪問してくださった方々がお話になります。イエス・キリストご自身が、「二人三人が集まっているところに私もそこにいる」と語られます。きっと、神様と共に過ごす世界がそこに広がっていてそれぞれの存在を祝福し、かけがえのない一人一人としての自由な空間が学園の中にあって、昔も今も、聖ドミニコ学園は、神さまの愛の中で見守られているからではないでしょうか。風は見えないですが、風の中に身をおいて、生かされている喜びを心で感じることができるなら、ドミニコの風に打たれているということになると思います。
 同窓生の皆様、どうぞ人生の節目となる時など、小さなグループのクラス会や同窓会等を学園内で実施されてはいかがでしょうか。思い出のいっぱい詰まったあったかいドミニコの風にのって幸せな時間を過ごされることを希望しています。

中学・高等学校 校長 メール・マリ・ポール 高橋 幸子

同窓会会報 No.40(2013)より




『ゆるされ、愛されて』

 12回生としての小学校6年間を通してメール方からいただいたものは、卒業後も含めて、振り返ればすべて「導かれ、ゆるされ、愛され続けてきた日々の大いなる積み重ね」だったと、今あらためて感じています。
 地下鉄と玉電(路面電車)を乗り継ぎ、瀬田の交差点から学校までの道のりは、子どもの私には素敵な場でした。寒い朝には材木屋さんの焚火にあたったり、中高生と一緒に学校までのんびり歩いたり、帰り道にはつつじの蜜を楽しんだりしました。また土曜日は下校時間に学校でボーイスカウトの制服に着替えさせてもらって、そのまま教会に行かせていただくなど、たくさんの思い出があります。
 卒業時の身長が131・5センチ。クラスごとに整列するときには必ず先頭でした。そのためか、いつも「いい景色」を見ていたように思います。グラウンドに降りる階段がなかった頃、崖を上り下りするのはスリル満点、毎日が遠足のようでした。卒業してから何度も遊びに行きましたが、先生方はいつも笑顔で迎えてくださいました。教員として奉職して今年で32年経ち、たくさんの失敗も経験しましたが、その都度メール方に導かれ、ゆるされ、愛されてきました。
 この四月から、小学校長を拝命いたしました。しかしながら、その重責を担えるほどの力は私にはありません。メール方がしてくださったことを同じようにできるかと問えば、否。それでも、導き、ゆるし、愛することを心に留めて、今の自分にできることを見つめながら一歩一歩、ゆっくりでも歩んでいくほかはありません。
 教頭職での経験も含め、さまざまな実務を通しても、この学園はメール方が大変なご苦労を乗り越えて築かれ、続いてきたのだと感じます。学園には、パンフレットやホームページではお伝えしきれないような、温かい「ヒドゥン・カリキュラム」が散りばめられています。私たちが今まで肌で感じてきたことを「ドミニコファミリー」とか「あったかいねドミニコ」というフレーズでよく表しますが、まさにその通りなのだと思います。後援会が発信した今年のテーマ「人を大切におもう ドミニコの心」は、永遠のテーマともいえます。
 これからの日々、今までいただいてきた聖ドミニコ学園の「人を大切におもう心」と「あたたかさ」を、学園内はもちろん、外部の方にも発信していくことが、一卒業生としての私の役割だと思っています。
 至らないところばかりの私です。皆様のお力添えなくしては歩むことができません。どうぞご一緒にお祈りくださいますようお願い申し上げます。

小学校 校長 山崎 昭彦

同窓会会報 No.40(2013)より

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